お前の物は俺の物

質屋、古くは土倉を語る上で重要なのは、昔は「仏物私物の罪」というのがあったってことです。
つまり「仏の物を私すると罰があたるよ」ってもの。

有り体に言えば、寺の物を取ったらドエライ目に遭うということ。

鎌倉時代に先立つ平清盛の時代から大量に宋銭が入り、承久の乱で鎌倉に味方した西園寺家によってさらに大量に銭が流通しますが、それは実は狭い範囲でした。
寺とかの前の門前市なんかは銭が幅を利かせましたが、坂東の武家の土地では相変わらず物々交換だったりします。
武士は銭に疎く、寺は目の前に銭があるから銭を貯め、経済に強くなります。
場所的には京都近辺が寺も多く、銭で何事も決済します。
このまま二元経済なら問題無いのでしょうが、坂東武士には「京都大番」という、幕府の命令で京都を守る仕事がありました。
持って来た馬や絹を銭に換えている内は良いのですが、足りなくなると土地等を抵当に銭を借りることになります。

当時の武士はDQNです。
「お前の物は俺の物」
「返さないとは言ってない。永久に借りておくだけだ」
くらい平気でやります。

だから質屋(土倉)は寺の管理下に入ります。
寺から銭を借り、「仏の物である銭」を貸す形にする為、死後を人質に取られる形になり、武士と言えど借り逃げが出来なくなります。
「質入れして得た銭は返さないし、質草だって武力で奪い返す」なら、質屋は成立しないわけです。
いまは質屋は廃れてしまい消費者金融が主流ですよね。しかもスマホから簡単契約でき、キャッシング審査甘い即日融資な会社もたくさんあるようです。